No.7 Kew Gardensはデカかった。

PiccadlyからTubeで西へ30分。途中でナガシが乗ってきた。このレフティーの彼はもひとつだったが帰りのギターとタムタムのおっさんデュオは「この電車でロンドンブリッジへ行くのなら〜♪」っといきなり観光案内。続けて「公衆便所でヒゲを剃るなら〜♪」っとブルースをやり始めて車内爆笑。Take cheques!と言いながら集金する強引さもあってかみんな小銭を用意。堂々とした様子にこっちが遠慮するほど。でもなかなかいいライブでした。写真が撮れなかったのが残念。さて、雨上がりの今日はカメラ抱えてKew Gardensで作品の素材探しへ。Kew Gardens、正式名はRoyal Botanic Gardens。、つまり王立植物園。121ヘクタールというから東京ドーム26個分。大きいんだか小さいんだかこの数字では分からないが、とにかくデカい。数え方にもよるが温室が大小あわせて5つ、3万種が育成されてる。この時期(11月下旬)、夕方4時には暮れはじめる(5時には真っ暗)から昼過ぎについてるようではとてもじゃないけどまわりきれない。


入園は学生証もどきが効いて4.5ポンド。ガイドには3.5って書いてあったはずだが、値上げか。まずはカフェで腹ごしらえ。レジに立つといきなり「こんにちは」?6年程千葉や関西に住んでた彼は日本語でしゃべるのが大好きみたいでBLTとカプチーノで4.75で小銭がないなーと困ってると2.5だけとって「これでいいでーす」と言ってカプチーノをサービスしてくれた。そんなことは滅多にないぞ。Nice of you!


まずは最寄りの温室から。The tropical Palm House。トロピカルだけあって27度、温室だからムンムン、眼鏡が曇って見えない。ここはハッキリ言ってただのジャングル。でも世界中の熱帯性の植物がわさわさとあって不思議な形の葉っぱがたくさんあって、下手にグロい花が咲き乱れてるよりはよかったかも。来る時期によるのかな?


こんな葉っぱがいっぱい。マクロでグッと寄って撮るとまた違った印象に撮れてなかなか楽しい。初めて見る種類ばっかりなのでスケッチしつつ、名前を書きつつ、撮影して‥とやってると汗が吹き出してくる。


と、突然天井からショワ〜っと猛烈な勢いで霧が!「加湿」なんだろうけど、なんの前ぶれもなしにいきなりだからびっくり。全館一斉ではないけれどその場にいた人たちは急いで避難。子供達は大喜び。(→)足下の排水。イギリスの足下はなかなかいい。マンホールも歩道の角の排水溝にもつい目がいってしまう。デザインは特になんてことないんだが鉄のずっしり感というか鋳物のかたまり感というか、それってデザインだな、やっぱし。


Coco-de-Merと表記のあったダブルココナッツの種。世界最大の「種」なんだとか。13〜22Kgもあるというから直撃されたら確実に死ぬな。何メートルあるかな?見上げるような椰子の木がにょきにょき。とてもレンズにおさまらないので撮せないのが残念。子供から見たらどれぐらい大きくみえるんだろう?


二番目の温室は柑橘系植物と各種お茶の小さなプランターと巨大な「世界最大の室内」植物でいっぱい。なんだか何度も「世界最大」にお目にかかる。比較的作りは古いようだがこちらはそんなに蒸し暑くなく、天井も高くて開放感があっていい。ただ暮れて来たころに入館したから暗かったのが残念。



この温室は螺旋階段で二階部分に相当する、建物を取り巻く通路に上がれる。大きな椰子の木を上から見下ろすのもおもしろい体験。

 


なぜか敷地のはずれに日本庭園。1910年ロンドンで開催された日英博に出典された5分の4に縮小された西本願寺唐門を移設して枯山水で「躍動」を表現しているそうだ。しかし手入れが不十分なのか観る者の視点の誘導がうまく設計できてないのか、なににも見えない。ここに来て気付いたが桂離宮も無隣庵も視点の誘導と借景のバランスで「空気」を演出してるんだろうな。こんなふうに「持って来ただけ」ではなにも醸しだされない。代わりに上空を頻繁に低空飛行する旅客機が「躍動」していた。


朝からの雨もすっかりあがって気持のいい午後だったけど、やっぱりもっと早く来るべき。この日は朝に思い付いて急に出てきたから。季節なのかあまり人も多くなくて、というより閑散としていて、花も咲いてないし静かでよかったが。夏には家族連れで溢れかえるんだろうか。とにかく広いのでまたもう一度暖かくなったらチャレンジ。

 

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Kew Gardensへのアクセス:Tube/District lineでKew Gardens下車。すぐそこ。
Web site : http://www.kew.org